2018年シーズンからプロ野球の新ルールとなったリクエスト制度についてご存じでしょうか?
リクエスト制度のルールや対象となるプレーが分かれば、「投手戦などの緊迫した試合での判定」や「流れが変わるプレーの判定」の場面で熱中して観戦できますよね。
今回の記事では、「プロ野球 リクエスト制度のルールと対象となるプレーとその課題」についてご紹介します。
リクエスト制度のルールと対象となるプレーとは?
先ずはリクエスト制度についてお伝えします。
リクエスト制度とは「監督が審判の判定に異議がある場合にビデオ映像によるリプレー検証を求めることができる権利」のこと。
プレーは一瞬で判定が決まるため、観戦していてどちらか分かりにくい時がありますよね?
そんな時に選手や観戦している私たちが納得して試合を継続・観戦できるようにとリクエスト制度が設けられました。
それではリクエスト制度のルールと対象となるプレーについてみていきましょう。
リクエスト制度のルール
①リクエストの回数は9イニングまでに各チーム2回まで使用可能。(延長戦になると使用回数がリセットされて1回使用可能)
②判定が覆ったリクエストは回数にカウントされない。
③審判によるビデオ検証の時間は5分以内とし、確証が得られない場合は最初の判定とする。
続いてリクエスト対象となるプレーをみていきましょう。
リクエスト対象外となるプレー
下記①~⑧以外のプレーはリクエスト可能となります。
①ストライク・ボールの投球判定
②ハーフスイング
③自打球
④守備妨害
⑤走塁妨害
⑥インフィールドフライ
⑦審判員(塁審)より前方の打球
⑧ボーク
リクエスト制度は2018年のレギュラーシーズンで494回採用され、判定が変更されたプレーは162回でした。プレーの判定が正しく行われることが多くなりましたが、導入されて1年目のルール。まだまだ課題は残ります。
リクエスト制度の事例と課題
リクエスト制度の導入によって正しく判定されることが増えた半面、納得のいく結果が得られないケースがありました。事例とともにみていきましょう。
事例
6月22日に行われたソフトバンク対オリックスの試合。同率3位で迎えた延長10回、3-3の同点でソフトバンク中村晃選手の放った右翼ポール際への打球がいったんはファウルと判定されましたが、工藤監督のリクエストによるリプレー検証で2ランホームランとなり、ソフトバンクが5-3で勝利しました。
問題が浮き彫りになったのは試合後の審判団の言動。審判団がビデオ映像を確認し、ファウルだったと誤審を認めました。誤審の理由としては再生方法に不備があり、本塁打にみえたとの回答。
課題①
今回の事例では試合後に審判団がビデオ映像を確認し、誤審を認めたことにあります。試合の流れに大きく関わる大切な判定、今後は試合後ではなく試合中での検証結果を最終的な結論にしてほしいです。
課題②
今回の事例を含む課題の1つに挙げられるのはリプレー検証時の環境整備です。
プロ野球では判定を下した審判を除いた残りの審判がビデオ映像を操作して確認しています。それに対しメジャーリーグでは全ての球場の映像を確認しているオペレーションセンターがあり、センターの担当者がビデオ映像を確認して審判に結果を伝えています。リプレー検証の仕方もメジャーリーグにならい、第三者が判定を検証する仕組みを構築するのはどうだろうか。
リクエスト制度は導入1年目のルール。運用に手探り感があるのは否めませんが、レギュラーシーズンが終了したこのタイミングで改めて運用のルールを考える必要があるだろう。