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シーサイドライン横浜逆走事件の原因はシステムエラー?自動運転に潜む驚異とは

6月1日午後8時15分頃神奈川県横浜市南部を走行する無人運転の新交通システム「シーサイドライン」・新杉田駅(横浜市磯子区)で乗客を乗せた列車が突然進行方向とは逆に走り出して車止めに衝突し、乗客30人中14人の負傷者が出ました。

そのうち6人は骨折などの重傷を負っていますが、命に別条はないとのことです。

 

平成元年に開業しこれまで問題なく運航していた「新交通システム」自動運転に潜む驚異についてまとめてみました。

 




 

シーサイドライン横浜逆走事件発生時の状況

 

横浜シーサイドラインによると、事故車両は新杉田駅発並木中央駅行きで5両編成、運転士のいない完全自動運転となっており、突然進行方向とは逆の方向に逆走したといいます。

幸いなことに新杉田駅は折り返し地点となっているため発車後5秒で車止めにぶつかり緊急停止しました。

 


その際に約30人が乗車しており、そのうち14人が負傷・6人が骨折などの重傷を負っています。

事故車両の2両目に乗っていた男性会社員(46)は事故の衝撃で跳ね飛ばされ車内のポールに手足をぶつけてしまったそうで、「発車から5秒後に事故があった。ドンという大きな音がして買い物袋に入っていた牛乳が飛んだ。突然の衝撃で何があったのかわからなかった」と話しています。

 

また同じ車両に乗っていた女性会社員(51)は座っていて怪我はなかったようですが、座席から投げ出された他の乗客は頭から血を流したり、うずくまっていたそうです。

車内アナウンスも何もなかったため「怖かった」と疲れ切った様子でした。

 

衝突から数分後に先頭車両から電車の外に出られるとアナウンスがあり、乗客は早く車外に出たいと先頭車両に移動しましたが、しばらくドアが開かず「早く出せ!」と怒鳴り声が上がったり、子供が泣き叫んだりとかなり混乱した状態だったといいます。

 

運営会社の横浜シーサイドラインは2日記者会見を行い、「事故原因は調査中」であると説明しました。

今のところ運転再開の見通しは立っておらず、国土交通省も同社に対して安全が確認できるまで運転を再開しないように指示しています。

 

シーサイドライン横浜逆走事件から見える「自動運転」の驚異とは?

 

今回逆走事件が起きたシーサイドラインは1989年に新杉田―金沢八景を結ぶ約11キロを走行する新交通システムとして運転士が乗車しない完全自動運転が特徴の車線です。

完全自動運転の仕組みは、あらかじめ登録されたダイヤ情報をもとに司令所と言われる運行管理装置で進路設定や発車時刻などを制御しているそうです。

 

この運転管理装置からの情報をもとに、自動運転装置でプログラムに沿って無人運転が可能になります。

現在シーサイドライン以外にもお台場周辺を走行するゆりかもめなど全国各地で新交通システムの基本的な仕組みが導入されています。

 

電車自体の設備に不備があった可能性も考えられますが、事件発生前の目視確認では不備等は見つからなかったと言います。

そうすると今回の逆走事故が起きた原因は「自動運転装置を制御するプログラム」にあると考えられます。

 

まだ詳しいことはわかっていませんが、この自動運転装置は電車だけではなく車などいろんなものに展開され社会導入されてきている仕組みになるので、もしシステムに不具合があるとすると今後もっと大きな被害が起きてしまう可能性もある大変リスクの高い問題であると考えます。

技術の進歩も必要なことではありますが、まずは安心・安全に暮らせることが一番ですよね。

まずは原因究明をしっかりとして、対策を講じてもらいたいと思います。